2010年10月24日(日)
【宇宙の友人達〜オスカー・マゴッチ氏の体験〜第五章 世界旅行(2)】
宇宙の友人達〜オスカー・マゴッチ氏の体験〜第五章 世界旅行(2)

30分もすると、夜が明けだした。私は、もっぱら正常視野を使った。色が深いスミレ色から、パステル・ブルーに変わり、さらに薄いピンク色に変わっていく、色彩の大パレードに驚嘆した。
このうえもなく荘厳で、魂を捉えて離さない光景だ。詩を思わせる絵画のようなあの夜明けに、目を十分楽しませることができたろうが、残念ながら、昇ってくる太陽でいろいろな色が霧のような白色と青色に変わっていく。
私は立ち上がって体を伸ぱし、気分転換のためちょっと休憩することにした。食べられる物をむしゃむしゃと食べ、立方体の物を数個飲み、一服した・・・。

その後、上空の何もない広大な空の広がりと、眼下の殆ど白っぼい霞とを見ているうちに、ベンチに座りながら眠り込んでしまったに違いない。
はっとして目を覚ますと、エジプトの砂漠の上空を浮遊しているのに気がついた。10キロも離れていないところに町が見える。カイロだろう。円盤の真下には、かの大ピラミッドが見える。高度6000メートルから見るとかなり小さい。

現地時間では正午に違いない。地上には陰が全然見えない。円盤の垂直シャフトは、上空の太陽と眼下のピラミッドの頂点とを、正確に一直線に結ぶ軸のようになっている。
太陽光線はシャフトを真っ直ぐに射ている。だが、同時に、シャフトの中では何かエネルギーの流れが起きているようだ。それも、上向きにだ!
間違いない。青っぼく輝く、ある種の流れが、脈動しながら光を放っている天井の螺旋形の物に吸収されていく。その流れをグイグイと吸い込んで何処かに入れているかのようだ。でも、何処へ?
エネルギー貯蔵庫がきっとあるはずだ。壁の中か、床の中かもしれない。目を下に移すと、床の蜂の巣のパターンも光り輝いている。だが、ほんの微かにだ。ひょっとしたら、これが蓄電池かもしれない。

どんな力を円盤は吸い上げているのだろうか?それにしても、なぜピラミッドからなのだろう?死んだ石の集まりではないか。また、太陽光線が必要なのは、もしかしたら、ある種の分極効果のためなのだろうか?
この不思議な充電は15分程も続いたであろうか。そして、終わった。円盤が「満杯」になったか、太陽の角度が変わって「充電」を終了せざるをえなくなったのか、そのどちらかの理由だろう。
とにかく、円盤はその位置から離れて、南の方向に進路を取った。さあ、今度は何処へ行くのか?だが、新たな考えは何も浮かんでこない。
いっそのこと、円盤が行きたいところに連れて行ってもらうか。どうせ、ピラミッドのところに来たのも、円盤の考えではないか、という気が強くしてならなかったのだ。

球体を覗いたが、進路は示されていない。ナイル渓谷の上空を本当にゆっくりと飛行中だ。この地を観光旅行しているのか、あるいは、円盤の次の「仕事の約束」まで時間潰しをしているのだろうか。いずれにせよ、私の方は構わない。別に、急いでいる訳でもないし、エジプトを見たいといつも思っていたのだから。
円窓を通して、エジプトの有名な古代の遺跡を沢山見ることができた。それも、良い角度から、事細かに見れた。人口密集地も、スエズ運河地帯の軍事施設さえも垣間見ることができた。

でも不思議だ。なぜ即応態勢をいつも取っている空軍に未だに探知されず、誰何もされないのだろう?
エジプトの上空には少なくとも2時間はいたのだから、探知されるのは避けられないはずなのに。円盤に遮蔽装置があって、探知されない方法を選んでいたとしたら、話は別だが。

私たちは進路を変え、「聖地」に向かった。途中で、地中海や、砂漠、人の住んでいる地域が数か所、都市が一つか二つ、ちらっと見えた。数分間、死海の近くの上空で止まり浮遊した。
次は、その「近くの」小さな町の上空でも、また、何処かの大きな湖の近くの町の上空でも止まって浮遊した。拡大視野を使ってみたが、良く分からない。たぶんベツレヘムとナザレだったのかもしれない。あの高度から見ると、聖書の地の町は非常によく似ていて区別がつかない。

それから、不毛の砂漠地域に行き、そして、沢山丘がある地域の、岩がごつごつした丘の上に降りていった。何処かの未鋪装道路の近くである。完全に着陸して、ただ待っていた。理由は私には分からない。10分位経つと、荒廃した、岩があちこちに散らばっている風景が、ぎらぎら輝く灼熱の日光でからからに干上がっているのを見ているだけで、退屈してきた。そこで、立ち上がって足を伸ばし、気分転換のため外に出てみることにした。

ドア開放器を作動させ、タラップを降りて行き、生まれて初めて聖書の地を踏んだ。
灼熱の熱気は、大槌でぶん殴られる感じだ。全く信じられない。燃え盛っている炉の中にいるかのようだ。ここに取り残されたら1時間もしないうちに死んでしまうだろう。
ある馬鹿げた考えが頭をよぎった。仮に、円盤が私をここに置き去りにしたいと思い、そして、愚かにもこの私はのこのこと自分で外に出て来た、としたらどうだろう? 脱水状態で死ぬのは全くひどい死に方だろうな。ハゲワシのことは言うに及ぱずだ。

着陸した小さな高台の周辺を歩いてみた。1、2分で戻るつもりだ。土煙が舞っているのが私の目を引いた。未舗装道路の遠くの方、10キロばかり先のところだ。無鉄砲なドライバーが車を飛ばしているのだろう。車が近づくのを待って、UFOが着陸しているのを見たらどんな反応を示すか見てみることにした。

そう、確かに、反応があったことはあった。が、驚くほど滅多に見られない反応であった。埃の中から出てきたのは、何と、一列縦隊に並んだ戦車だったのだ。それが、扇のように展開して、円弧状となり、およそ1キロ先で止まった。
次には、砲撃してきた!
気が触れているに違いない、と思ううちにも、最初の数発の砲弾が、距離が若干足らないところで爆発している。
円盤に走って戻ろうとした刹那、第ニの砲弾の雨が空中で爆発した。私のすぐ前、10メートルと離れていないところでだ!押し殺された爆風が聞こえてくる。大地が少し揺れる。だが、ショック波は無い。
普通だったら、あんな近くで砲弾が爆発したら、殺されているところだが、私は無傷だ。ただ、一瞬目が見えなくなっただけだ。

とにかく、私は手をこまねいてただ突っ立ていた訳では無い。半狂乱になって、円盤の中に急いで駆け込んだ。
中も焼けるほどに暑かったが、ドアが背後で閉まると、温度は驚くほど早く正常になった。本当に素晴らしいエアコン装置だ。それに、言うまでも無いことだが、砲弾が当たるのを防ぐのに、円盤が使っているに違いない「力の場」システムもまた素晴らしい。相当な保護の傘に違いない。というよりも、保護ドームと言った方が良いのか。
砲弾は周囲のあらゆるところで爆発しているのだから、「力の場」も、どの方向からも円盤を守れる盾を提供しなければならないからだ。

砲撃が止んだ。周囲には、厚い埃がうず巻いているのしか見えない。円盤は離陸し、垂直におよそ300メートルまで上昇した。何台かの戦車のハッチが開き、乗組員が頭を出して、私たちを見上げているのが見える。
その一つにズーム・インしてみる。油に汚れた顔が、こんなことは信じられない、と言う非常に仰天した表情をしているので、私は急に笑い出さずにはいられなかった。

その後、上昇を続け高度を上げた。高度3000メートル位のところで、新たなハンターのグループに遭遇した。ジェット迎撃機の3機編隊だ。私たちの片側をすごい勢いで通り過ぎ、180度の方向転換をすると、またこちらに向かって来る。
その瞬間、円盤は急に、目が眩むような垂直上昇を始めた。私は息も継げないくらいになり、床に押し潰されそうになった。先頭の迎撃機から二筋の煙がこちらに向かって突進して来るのがちらっと見える。凄いスピードで上昇すると、二筋の煙もカープして追って来る。誘導ミサイルだ!
そのことに気が付くと、私は恐怖に襲われた。迎撃機は、私たちの下をさっと通り過ぎる。次に見えたのは、青白い光線が、円盤から二度短く噴射されるところだ。そして、二基のミサイルは私たちから遠く離れたところで、誰も傷つかないところで、撃破されたのだ。

私たちは、パイロットにまた見つからないうちに、スピードを上げて遠ざかり、上昇して彼らの視界の外に出た。私は安堵感を覚えたが、吐き気も催していた。私の肉体は、このようなスピードや曲芸飛行に耐えられないようだ。円盤は、私に対する影響を少し和らげようと、補償の場を使ってはいたのだが。
このように、いろいろなことがアッという間に起きたので、私は大分ぼーっとしてしまっていた。それに、戦車や戦闘機に攻撃されるのには慣れていない。

そういえば、UF0で飛ぶのにも慣れていないのだ。だが、少なくとも、今にして思えば、なぜ中東に来たのかその理由が分かる。
円盤は、その防御システムを見せたかったのだ。それも、かなり劇的な形で。そのために、わざと挑発して攻撃させたのだ。戦車も戦闘機もアラプのものの可能性が高いと思った。アラブなら、領土内で奇妙なものが動いていたら、それが何であれ、攻撃してくるのも当然の話だ。

あの「力の場」には、凄じいまでに強い印象を受けた。ドームのような場が外側に少なくとも20メートル投射されたが、それは信じられないほど大量のエネルギーを使ったに違いない。
それに、あの「レーザービーム」だか何だか、ミサイルを爆破させたものも。あの光線の青っぽい色は、ピラミッドの上で円盤が充電したエネルギーの流れの色と極似しているように思える。
倦アく







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