※P-TRIBE保存データ(2015年9月16日アップロード)

裁判員裁判の流れと概要


■裁判員制度

裁判員制度とは、2004年5月に国民が裁判員になって刑事裁判に参加する「裁判員法」が国会で成立し、2009年5月から施行された制度です。
司法に関して国民に参加意識を持ってもらうことで犯罪抑止につなげて行きたいという主旨と同時に、司法側が世の中の人々の多様な意見を審議に取り入れようというもので、20歳以上の有権者の中からランダムに選出された裁判員6名と補充裁判員2名が刑事裁判に参加します。

裁判員に選出される確率は年間8,700人に1人程度(約0.01%)だそうですが、管理人・からるーもこの裁判員に選出されて裁判員裁判に参加しました。
今後、裁判員または補充裁判員に選出される可能性がある有権者の皆さんのために、参考資料として裁判員裁判の流れと概要などを以下に記述しておきます。

これはあくまでも2015年に管理人が参加した裁判員裁判で体験したものであることをご了承下さい。なお、この記事は裁判長の許可を得た上で当ホームページにアップしています。

■「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」が届く

年末から年始にかけて最高裁判所からB5サイズぐらいのぶ厚い封筒が送られて来ます。「あなたは次の1年間、裁判員候補者の名簿に記載されました」というお知らせです。つまり、裁判員に選ばれるかもしれないので心の準備をしていてくださいね、というお知らせでした。

 

裁判員制度についてのDVD付きの小冊子と質問票が入っています。裁判官や警察官など裁判員になることができない職業の人や、重い病気で外出できない人などは辞退を申し出ることができます。
辞退する理由がない人はこの時点では何もしなくていいのですが、この郵便物には誰でもビックリ仰天。まさに死刑判決を受けたようなショックです。(これを裁判長に言ったら爆笑してました)

■「裁判員等選任手続き期日のお知らせ」が届く

ある日突然、お住まいの地域の地方裁判所から大型封筒が送られて来ます。「うわ〜、キタ〜〜!」という感じです。
「あなたは裁判員候補者になりました。裁判員と補充裁判員を選ぶ抽選会をしますので、○月○日、朝9時30分までに裁判所に来てください」という、いわゆる裁判所からの呼出状です。この日に裁判員と補充裁判員が選出されます。

もしも裁判員または補充裁判員に選ばれた場合、出席することになる裁判の日程が書いてあります。この時点ではまだ裁判員に選ばれたわけではありません。質問票が同封してありますので記入して郵送します。ちなみに質問票にウソを書いたり、選任手続きをすっぽかしたりすると罰金をくらうので要注意です。
そして、呼出日がウィークデーなのでかなり焦ります。選任手続きは午前中で終わりますので、会社や仕事先に伝えて時間をもらう以外ありません。必要であれば「出頭証明書」を発行してくれます。

■「裁判員選任手続き」に行く

地方裁判所に行くとまず玄関で手荷物の検査があります。空港でやっているのと同じです。受付を済ませると教室のような部屋に入って到着順に机に座ります。机の上に番号が書いてありますが、その番号が自分の抽選番号になります。
僕の時は30人ちょっとの人が来ていました。この中から裁判員と補充裁判員が選出されます。
職員から説明があって裁判員に関するビデオを見ます。そこでまた質問票が渡されるので記入します。どうしても裁判員を辞退しなければならない事情ができた人は、別室でその理由を説明すれば辞退することができます。

裁判員と補充裁判員が選任されるまで少し時間がかかりますので、場合によっては使用されていない法廷の中を見学させてもらえることがあります。法廷の中だけは撮影OKですので記念にぜひ撮っておきましょう。ただし、その画像をホムペやブログなどで配信することは禁止だそうです。

■「裁判員」と「補充裁判員」が選ばれる

選出された裁判員6名と補充裁判員2名の番号がホワイトボードに記入されます。補充裁判員は、裁判員が何らかの理由で途中から出頭できなくなった時のピンチヒッターですが、裁判員と同様に全ての日程に参加することになります。選出されなかった人はここで終了です。

選出された裁判員、補充裁判員、計8名は別室に案内されます。そこで担当することになる裁判の裁判長、他の裁判官2名、検察官、弁護士が紹介されます。それから、その場で「裁判員として公平に判断することを誓います」といった内容の宣言文を全員で読み上げます。このへん、結構こっぱずかしいですが腹をくくる以外ありません。

最後に、裁判員と補充裁判員は評議室と呼ばれる部屋に案内されます。丸いテーブルがあって席に番号が表示されています。その番号が自分の裁判員番号になります。この部屋は終了するまでの自分たちのオフィス兼休憩室です。

この日は裁判員候補者として半日分の日当(4,000円程度)と交通費が支払われます。もちろん選出されなかった人にも支払われます。判子をお忘れなく。

■裁判(公判)に出席する

翌日から早速、法廷で裁判(公判)が始まります。法廷では裁判員は3人の裁判官(裁判長と裁判官ふたり)と並んで左右に3人ずつ席に着きます。補充裁判員は裁判官、裁判員の背後に座ります。
起訴状のコピーや資料などは配られますが、裁判官と裁判員は事件の内容を全く知りませんから、法廷で語られた事は詳しくメモしておく必要があります。このメモが後日、評議(話し合い)の時の資料になります。

また、裁判はこまめに休憩を挟みながら進められますのでトイレが近い人でも全く心配ありません。

■裁判の流れ

○冒頭手続き
 裁判の準備です。まず被告人の本人確認がされたあと、検察官が起訴状を読み上げて検察官と弁護人が意見を述べます。被告人には黙秘権の説明が述べられ、起訴状に書いてある事を被告人が認めるかどうかが質問されます。

○冒頭陳述
 証拠を調べるにあたって検察官と弁護人が意見を述べます。検察官がどのような証拠があって犯罪事実を立証しようとしているのかを詳しく説明します。一方、弁護人は被告人が有利になる事情を説明します。また、この裁判でどのような事が争われるかが説明されます。

○証拠書類の説明
 検察官が犯罪事実の証拠となる書類や事件現場の写真などを提示して説明します。

○証人への検察官と弁護人からの質問
 被害者や目撃者などの証人を法廷に呼んで検察官と弁護人が事件に関する質問します。

○証人への裁判官、裁判員からの質問
 裁判官が証人に質問します。裁判員も自由に質問できます。そんな度胸がない場合は裁判官が代わりに質問してくれます。

○被告人への弁護人と検察官からの質問
 検察官と弁護人が被告人に質問します。検察官の質問は結構厳しいですが、弁護人の質問は被告人が有利になるような質問です。

○被告人への裁判官、裁判員からの質問
 裁判官と裁判員が被告人に質問します。被告人に聞きたい事があればここで質問してください。

○証拠調べをふまえた検察官の意見(論告・求刑)
 検察官がこれまで説明した事をまとめて最終的な意見を述べたあと、被告人に懲役○年を求刑しますと述べます。

○最終弁論
 検察官の論告・求刑に対して弁護人が最終的な反論を述べます。ここで弁護人も求刑しますが、検察官よりは軽い懲役を主張します。

○被告人の最終陳述
 被告人が最後に言いたい事を述べます。被告人はすでに起訴内容を認めていることが多いので、たいていは「反省しています」といった内容や被害者に対する謝罪です。

■評議(話し合い)

裁判が終わると翌日から評議室にこもって評議を行います。3人の裁判官、裁判員、補充裁判員の11名全員で裁判の内容を詳しく調べて話し合いをします。裁判員、補充裁判員一人一人に意見を求められます。一般市民の立場として思った事は遠慮せずに自由に発言して、疑問やよく分からなかった事があれば何でも質問していいです。
最後に、被告人に何年の懲役を課するかを多数決で決定します。起訴状の内容によっては評議に日数を要することがあります。

■判決(最終日)

最終日に裁判官と裁判員が決定した判決が下されます。裁判長が「主文、被告人を懲役○年に処する」と告げたあと、その理由が詳しく述べられます。これで終わりです。あっという間で、法廷にいたのはおそらく10分から20分ぐらいでしょうか。
評議室に戻って裁判員裁判の感想などのアンケートに記入したあと、裁判員裁判に参加したことを証明する「出頭証明書」とお疲れ様の「感謝状」が渡されて、最後に裁判員、補充裁判員を勤めた記念のピンバッジが配られます。「裁判員制度」のシンボルマークのバッジでシリアルナンバーが付いています。

 

これで裁判員、補充裁判員の仕事は全て終了です。最終日は午前中で終わります。

■守秘義務

裁判員の仕事が終了するまでは、裁判員である事を家族や身近な人、または仕事先の上司以外に話す事を禁じられます。また、評議の席で話し合われた内容、裁判官と裁判員の名前や個人情報を口外する事も禁じられています。これは裁判官と裁判員の身の安全を守るためです。

■裁判員裁判にかかる日数

裁判・評議・判決はそれぞれ別の日に行われます。裁判員として裁判所に通う日数は裁判の内容によって様々です。事件内容によっては長い日数を要する場合もありますが、一般的には全部で1週間程度が一番多いようです。特例として3カ月もかかった時があったそうですが、そういう事はまずないそうです。

ちなみに、僕が裁判員を務めた時は土日のお休みを挟んで全部で9日(約2週間)かかりました。長い方だったそうです。

■昼食タイム

昼食は裁判官、裁判員、補充裁判員全員が評議室で済ませます。裁判所にはレストランがありますが、被告人の関係者や裁判の内容によってはマスメディア関係者が利用していることがありますので、裁判期間中に限ってお昼は外に出ないように言われます。前日にお弁当(有料)の注文ができるはずです。もちろん家からお弁当持参もOKです。

僕の場合、この昼食のひとときは裁判官、裁判員、補充裁判員が親交を深める時間になりました。裁判や裁判所についてのいろんな話が聞けるチャンスでした。

■日当と交通費

裁判員、補充裁判員には1日1万円以内の日当が支払われます。午前中だけの場合は日当は半分の金額です。
交通費は自宅から裁判所まで1キロあたり37円で計算した金額が支払われます。離島の場合は船賃や飛行機代が支払われます。
また、自宅が裁判所から遠いために宿泊しなければならない場合は、別途宿泊費が支払われます。

■管理人より

さて、有権者の皆さん、将来、有権者になる皆さん、裁判員なんか絶対イヤだ!選ばれたくない!と思われるでしょうが、僕にとっては実に興味深い体験でした。実際、人ひとりの人生にかかわる責任が重い勤めですから、こちらも真面目に取り組む必要がありますが、それだけにやりがいがある仕事でした。裁判官の皆さんがたいへん気を使ってくださって、ドシロウト相手に何でも丁寧に教えてくださいました。
結果的に思ったほど不安になるようなものではありませんでしたし、むしろ学べる事が多い貴重な体験でした。複数の裁判員がもう一度体験してもいいと言っておられました。

2015年9月 管理人/からるー






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